2017/08/20

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『三十路 偉そう』出版記念
若手人気作家、信雄氏による三十路シリーズ最新作『三十路 偉そう』の出版記念イベントが先日、東京都港区の某イベント会場にて行われた。
ゲストとして芥川賞作家である吉又直樹氏、女優の北堀真希も招かれ、会場には大勢の報道陣が詰めかけた。
注目の最新作を引っ提げての登場となった信雄氏だったが、この日の主役は、先日、突如結婚を発表し世間を賑わした北堀真希。リポーターの差し出すマイクも『三十路 偉そう』そっちのけで北堀に集まってしまい、北堀は終始申し訳なさそうな表情を浮かべながらも「幸せですか?」の問いには、「あ、はい。」と笑顔を見せていた。
新作『三十路 偉そう』に対して露骨に興味を示さない報道陣に対して、信雄氏が声を荒げる場面もあったが、誰も聞いていなかった。
吉又も報道陣のあまりの興味の無さに呆れたのか、「最近、帯を書いてくれっていう仕事が多すぎて、どの本の帯を書いてるのか自分でも分からないんすよ。だから最近はどの本につけても大丈夫なような言葉を書くようになりましたね。けど『三十路 偉そう』って泣くとこありましたっけ?」と、完全にオフレコ前提のコメントを出していた。
三十路シリーズ最新作『三十路 偉そう』は近日発売予定。都内の大型書店には早くもテント組が並んでいるとの情報もあるが、真偽のほどは定かではない。
三十路シリーズ
一作目の『三十路 死にそう』が50万部の大ヒットを記録し、シリーズ化された作品。「三十路」と呼ばれる元ヤクザのアフィリエイターが殺人事件に巻き込まれ、命からがら事件を解決する本格派ハードボイルド。
昨年、二作目となる『三十路 吐きそう』が発売され話題になるも、読者からの「三十路の続編、超くだらねーwww」という口コミがネットで広がったこともあり、売り上げは3万部止まり。早くもシリーズ最終回となるかと思われたが、このたび三作目『三十路 偉そう』が発表された。
最新作『三十路 偉そう』では、第一作で三十路の相棒として大活躍したヒロイン、エリーが再び登場するとのことで注目を集めている。
ストーリーは、前作で三十路と運命的な出会いを果たした潤一(webマーケティングのスペシャリスト)と共に、webマーケティング会社を立ち上げるところから始まる。
そこへクライアントとしてやってきたのが2年ぶりの再会となるエリー。
エリーがある理由で暴力団に追われていることを知った三十路は、持ち前のSEO技術を駆使して暴力団組織に立ち向かう。果たして三十路はエリーを守ることができるのか?!
以下、公開された冒頭部分を掲載しておく。
『三十路 偉そう』
~プロローグ~
「待って!あなたっていつもそう。いつも大事なところで逃げてばかり・・。」
女は顔を歪ませて、我慢しきれなくなった思いを男にぶつけた。
男はその言葉を背中で受け止めた。
「ちょっと、聞いてる?なんとか言いなさいよ。」
女は男の背中に歩み寄り、男は天井に向けてタバコの煙を吐き出した。
「もう遅いんだよ。何もかも。」
男は振り返らずに言った。
女は何も言えなかった。女の頬を涙がつたった。悔しさ、怒り、悲しみ、憎しみ、いろんな負の感情が一気に溢れだしたようだった。
男はテーブルの灰皿にタバコを押しつけ、椅子にかけてあったジャケットをさっと羽織ると、すすり泣く女をそっと胸に抱いてその耳元に囁いた。
「大丈夫。時が来たらなんとかするから。」
「今すぐなんとかして。」
「何度も言わせないでくれ。もう勝負はついたんだ。」
「・・そもそもなんで勝負したの?なんで借りたお金で馬券なんて買ったのよ!50万円1点買い?バカじゃないの?しかも11番人気の馬なんでしょ?そんな馬が勝つと思ったの?私のお金返しなさいよ!ちょっ・・。」
女の言葉が終わるより先に、男は足早に部屋を出ていた。
一人部屋に残された女は叫んだ。
「もおおおっ!人にお金借りといてなんであんなに偉そうなのよっ!」
女は落ちていたクッションを力いっぱい踏みつけた。
(『三十路 偉そう』プロローグより抜粋)
あとがき
この記事はマテリアルとは無関係です。
『三十路 偉そう』の検索ワードで上位に食い込むためだけに書いたネタ記事です。
記事中に登場する人名及び企業名は全て架空のものです。